私達が10代の頃は、携帯電話などなく固定電話のみの時代でした。しかもダイヤル式のやつ。
好きな人に電話するにしても、いつも相手の父親が電話にでるかもしれないと、びくびくしながら電話をかけていたものでした。
自分の家でも、たいてい電話は居間にありましたから、家族には相手の名前が筒抜けでしたし、それがいやで、家族に聞かれないように公衆電話から電話をかけたりしたものでした。
今の子供たちはダイヤル式の電話機も知らないのでしょうね。
携帯電話やスマホの世の中になって、個人のプライバシーは守られるようになりまして、我が娘たちの彼氏からの電話を、父親である私が受けることは、ただの一度もありませんでした。
今考えると、それはそれでもったいないような、せっかく娘を持ったのに仕返しができず、少し残念な気もします。
東京で単身赴任をしている頃、
もともとコミュ障の私は、ともすれば「あっ、今日は誰ともしゃべっていない」的な週末に陥ることが多々ありました。
まさに「週末うつ」の状態だったのかもしれません。
つまり、自分が何のためにそこにいて、何をしているかが分からなくなっている状態になっていたのだと思います。だんだん良からぬ事を考え始めたりして。。
そんな私を人間たらしめているのは、「妻からの電話」でした。
当時、週末の私を社会とつないでいたのは「妻からの電話」以外にはなかったんです。唯一の救いでした。
そもそも人付き合いは苦手なタイプでしてので仕方ありません。人知れず自暴自棄になっていた私は、そんな時の妻からの電話に何度救われたことか。
人は他者の言動によって、自分の立ち位置を再確認できるんですね。
私が進路を見失って途方にくれていた時に、誰に認めて欲しくて、誰にほめて欲しくて、誰に慰めて欲しいか、それは一生を共に過ごしたいと決めた「あなた」なんです。
電話してくれてありがとう。繋ぎ留めてくれてありがとう。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。
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